2009年6月20日土曜日

家財道具を大切に使い続けていくということ

「家具は生活の記憶装置だ」と誰かうまいことをおっしゃっていましたが・・・

最近させていただいたお仕事ですが、座卓の天板のリペア・塗り替えをさせていただきました。自分の中の呼び方としては更新をすると言った方がしっくりきますが、なんか、その呼び名の方が生活用具としての家具の有り様を内包した、言葉の趣を持っているような、そんな気がするからですが。


上の写真がいわゆるビフォーの状態です。カバ材を着色ラッカー塗装でコーティングされていました。毎日の使用の中でコーティングが擦り減っていき、生地の部分が剥き出しになっています。ここまでなるには多分数十年はかかっていると思いますので、その使用の痕跡もなかなかいいもんですが、そこは、作り手のちょっとした感傷です。
持主様は、大切に愛着を持って使われていたんだなと一目で分かります。


表面のキズ、塗装の剥がれを気にされておられた様ですので、一度、研磨をして塗装をはぎ取り、生地を研磨しなおして、ウレタン塗装でコーティングさせていただきました。
自分が手を入れて更新することで、持ち主様がまた、気分よく使い続けていく。そしてまた、傷んだ時は、自分か、又は、誰か別の職人が更新し続けていく。
そんな、ちょっといい物語に参加させていただいた気がします。

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